こんにちは。トモ君です。
先日、久しぶりに中学生の駅伝大会を見に行きました。
その際、当時の監督からびっくりするような話を聞いてしまったんです。
なんと今の中学生の部活動は必ず平日1日、休日1日で休養日を取らなきゃいけないのだそう。
私が学生だった頃は、週休1日が普通だったので結構衝撃的でした。
本記事では、そんな学生の部活時間制限に関して、陸上部ではどんな影響が出ているのかと個人的な考察をまとめています。
学生の部活時間制限の内容
従来の部活動に関しては、以下の通り曖昧な表現で規定が設けられていました。
活動時間
- 平日2時間程度
- 休日4時間程度(中学は3時間)
休養日
- 平日1日
恐らく20~30代の方が当時の部活動を思い返すと、大体このぐらいの時間だったのではないでしょうか。
しかし2023年より規定が厳格化されたことで以下のように変更されています。
活動時間
- 平日2時間
- 休日3時間
休養日
- 平日1日
- 休日1日
「程度」という表現が撤廃され、活動時間や休養日の規定を守ることが明確に義務付けられました。
これにより、指導者側の負担は軽減された反面、競技で結果を残したい学生にとってはあんまり好ましくない状況になってしまったのです。
中学・高校の部活時間制限による影響
今回、部活動の時間制限が設けられた背景には、教員に圧し掛かる負担軽減が1番にあるそうです。
たしかに以前から教員の部活動による負担は非常に大きいものだとされてきました。
- 時間的拘束
- プライベートの侵害
- 慣れない指導
ただでさえ忙しい中で部活動の指導にも精を出すのは、非常に大変なことです。
僕もいざ、教員になって部活動の指導ができるかといえば想像もしたくないですし、本当に頭が上がりません。
その負担軽減策として、今回のような時間制限が設けられるのは必然といえば、必然のような気がします。
中学時代の監督が溢していた本音
今回の時間制限を受けて、僕の中学時代の恩師はこんな本音を溢していました。
今は学生を育成するのが本当に難しくなった。特に駅伝。駅伝の場合、強い選手が1人いるだけでは絶対に勝てないから全体的な底上げをする必要があるのに、今の制限下ではとてもじゃないけど難しい。
一応、この監督は部活動に対して非常に熱心な方です。
プライベートよりも部活の練習を優先してしまう程、熱く指導されています。
そのぐらい熱意を持ってやっている方からすれば、今回の制限はあんまり好ましいものじゃないことが分かります。
また、今回の部活制限による影響で
元々才能のある学生は強くなる一方で、磨けばもっと伸びそうな人材の育成が難しくなった
とも話されていました。
これに関しては先日中学生の駅伝大会を見て痛感しました。
というのも、ここ数年、勝つ学校が固定化されつつあるそうなんです。
制限が設けられて以降、小学校時代からクラブチームに所属していたような学生が多い学校ばかりが勝つようになってしまったとも話されていました。
つまり、中学生の大会でも地域的な格差が出始めるようになったんです。
高校や大学であれば、強い選手は強い学校に集まるので、格差が出るのは仕方ないですが、中学の大会まで格差があるとなれば見ている側としても面白みがないですよね。
活動制限が出れば、指導者の手が届く範囲が限られるので、チーム全体の総合力の底上げは難しくなります。
そんな状況下では、中学から本格的に陸上を始めた学生ばかりのチームが、小学校時代から走り込んできた学生達ばかりのチームに勝つ、いわゆる下剋上的な展開が難しくなっているのです。
自分の中学時代を振り返ってみる。
僕が本格的に陸上を始めたのは、中学生になってからでした。
始めた当初は、陸上部ではない学生にも勝てないぐらいの雑魚で、決して元々才能があったわけではありません。
むしろ、周りからは
よく陸上部に入ったね
と驚かれるレベルだったように思います。
それでも中学時代は2度、駅伝で九州大会に出場できるぐらいまで伸びたんです。
これは正直、当時の監督の指導がなければ難しかったと思います。
たしかに当時の監督の指導方法は絵に描いたようなスパルタで、とても辛かった記憶があります。
休みもほとんどなく、とにかくしごかれました。
それでも全く才能の無かった自分達が、県内でトップクラスに数えられる程強くなれたのは監督の指導と制限なく練習できる環境があったからだと思うんです。
そう考えると、今のような元々走力のある学生が多く集まった学校が強いまま終わってしまう状況もまたいかがなものなのかなと感じます。
部活時間制限の状況下でも練習してはいけないわけではない。
ただ、時間制限が設けられたからといって練習してはいけないわけではありません。
あくまで今回のルール改正は、教員の負担軽減が1番の目的としてあります。
つまり、学生が自ら主体的に練習する分には問題ないわけです。
今回の制限を受けて、自ら主体的に練習に打ち込む学生が増えるなら、ある意味プラスともいえないでしょうか。
例えばですが、僕も中学の頃、監督が練習を見れない時は部員同士で各自集まって練習していました。
お盆休みや正月などはどうしても長期休暇になることが多かったので、体が鈍らないための対策です。
こんな風に足りない部分は自分達で補おうという意識を持ち、自らの意志で強くなろうとする学生が増えれば、今の制限下でも十分伸びていくのではないでしょうか。
学生はどうすれば主体的に練習するのか。
これに関して1番有効な手段は、強くなった先の未来をイメージさせることかと思います。
僕が学生の頃に監督がよく話されていたのは、全国大会に行ったらどんな思いができるのかということです。
- 学校が休める
- ホテル(旅館)で美味しい食事ができる
- 親孝行ができる
- これまで行ったことのない場所に行ける
あんまり声を大にしていえることではない気がしますが、当時の僕達はこんな話を聞いてウキウキしていました。
だから練習が休みの日でも自分達で集まって練習することもあったんです。
結果元々は弱小だった僕達も、卒業する頃には強豪の1つとして数えられるぐらい強くなれました。
要するに、今の環境下で学生に結果を残して貰うなら、どうすれば主体的に練習するよう促せるかがより大事になるのかなと思います。
僕は指導者を経験したことはないのであんまり生意気なことは言えませんが、監督の話を聞いていてそう感じました。
部活動に力を入れたい親や指導者側からすればかなり向かい風な状況ですが、工夫次第では追い風に変えられる可能性があるかもしれませんね。
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