フルマラソンで2時間50分を切る「サブエガ」。
市民ランナー上位数%の狭き門ですが、20代の営業マンとして働く傍ら1年間の継続で達成できました。
本記事では多忙な日々の中で私が実践した週間メニューや愛用するヴェイパーフライ3の活用法を詳しく解説します。
「仕事と両立しながら限界を突破したい」。
そんな志を持つランナーの皆さんに私の実体験に基づいたリアルな練習法と成長の軌跡をお届けします。
サブエガ(2時間50分切り)の難易度と必要な指標

全マラソン完走者のうち、サブ3(3時間切り)を達成できるのは上位約4〜5%と言われています。
しかし、そこからさらに10分を削り取る「サブエガ」を達成できるのは、わずか上位1〜3%ほどです。
「選ばれし3%」の世界
サブ3を達成したランナーの中でも、さらにその4分の1程度しか到達できない「狭き門」なのです。
20代という体力的なアドバンテージがあってもがむしゃらな練習だけでは届かない、戦略的なトレーニングが求められる領域です。
サブエガ達成に必要な「合格ライン」
サブエガを達成するためには、42.195kmを平均キロ4分01秒で走り続ける必要があります。
このスピードを「余裕を持って」維持するために、短い距離で以下のタイム(指標)をクリアしていることが望ましいです。
| 距離・指標 | 目標タイムの目安 | 目的・備考 |
|---|---|---|
| 5,000m | 17分40秒以内 | スピードの絶対的な余裕度 |
| 10,000m | 36分40秒以内 | スピード持久力の土台 |
| ハーフマラソン | 1時間20分〜21分 | スタミナとペースの完成度 |
| VDOT値 | 57 〜 58 | ダニエルズ式理論による指標 |
「キロ4分」がジョグに感じる感覚
サブ3を目指す際のレースペース(キロ4分15秒)とサブエガのペース(キロ4分01秒)では体への負荷が劇的に変わります。
サブエガを狙う段階では、「キロ4分が、かつてのキロ4分30秒くらいの感覚で走れる」ようになるまで、基礎的な走力を底上げする必要があります。
単に「速く走る」だけでなく、効率的なフォームと、乳酸を溜めずに走り続ける「乳酸閾値(LT値)」の向上が不可欠です。
【公開】サブエガ達成時の週間練習メニュー
サブエガ達成の鍵は、センスや才能ではなく「練習の継続」と「設定タイムの厳守」にあります。
特に時間が限られるサラリーマンにとって、1回1回の練習に明確な意図を持たせることが重要です。
私が約1年間、試行錯誤の末に辿り着いた黄金の週間スケジュールを公開します。
各メニューの意図:なぜこの練習が必要なのか?
単に走るだけでなく、それぞれのメニューがサブエガのどの要素(スピード・スタミナ・耐性)を鍛えているのかを理解することが、成長への近道です。
水曜日:1,000m×5本(3’30/km)
サブエガ(キロ4分01秒)を目指すなら、キロ3分30秒でのインターバルは必須です。
- 意図: レースペースより30秒速く走ることで、心肺に強烈な負荷をかけます。これにより、本番のキロ4分が「ゆっくり」感じられるようになります。
- サラリーマンのコツ: 水曜日は残業を極力減らし、最優先でトラックや公園へ。この1本が週末の質を左右します。
木曜日:8kmペースジョグ(4’00/km)
水曜の疲労が残る中で行う、実は最も「地味に効く」練習です。
インターバルの翌日にあえてレースペースで走ることで、「疲れた状態でもキロ4分を刻む」という耐性を作ります。
距離は8kmと短いですが、これが後半の粘りに直結します。
土曜日:早朝ビルドアップ走 14km + 夕方ジョグ 10km
土曜日は「二部練」として足を追い込みます。
- AM(ビルドアップ): 4分10秒からスタートし、2kmごとに10秒ずつ上げます。最終的には3分10秒〜20秒付近まで追い込むことで、ラストスパートのキレを養います。
- PM(夕方ジョグ): 午前中に追い込んだ足で、あえてゆっくり(5’20/km)走ります。これにより、筋肉内のグリコーゲンが枯渇した状態で足を動かす「マラソン後半の擬似体験」ができます。
日曜日:20km距離走(4’00/km)
週末の総仕上げです。土曜日の二部練で足が重い中、淡々とレースペース(4’00/km)を守り抜きます。
30km走をしなくても、土日の「セット練習」でトータル40km以上を高い強度で走るため、スタミナは十分に補えます。
週末に走り込むことで、月曜〜火曜のジョグで疲労を抜くサイクルが完成します。
20代・営業マンが継続できた「環境づくり」
「仕事が忙しくて走れない」は、営業マンにとって最大の敵です。
私は以下の3点を徹底しました。
- 月・火は「繋ぎ」と割り切る: 仕事が長引いても、5分/kmのジョグなら夜遅くからでも短時間で済みます。ここで無理をしないことが、水曜の質を高めます。
- 金曜を「絶対の休み」にする: 週の後半に向けて疲れを溜めないため、金曜は飲み会があってもOK。ただし、土曜の早朝練習には影響が出ない範囲で楽しみます。
- ヴェイパーフライ3の力を借りる: ポイント練習では積極的に厚底カーボンを履きます。足へのダメージを軽減し、翌日の練習継続率を上げるためです。
サブエガ達成時の相棒シューズはNIKE ヴェイパーフライ3
サブエガという高い壁を突破するために、練習メニューと同じくらい重要なのが「ギア選び」です。
私が1年間のトレーニング、そして本番のレースで全幅の信頼を寄せた相棒が、NIKE ヴェイパーフライ 3でした。
なぜ多くのシューズの中からこれを選んだのか、そしてサブエガ練習においてどう機能したのかを徹底レビューします。
圧倒的な「安定感」と「反発性」の両立
前作(ヴェイパーフライ 2)に比べ、ミッドソールがよりワイドになり、安定感が格段に向上しました。
キロ4分を切るペースでは、わずかなフォームの乱れが大きなロスに繋がります。
ヴェイパー3は、疲労が溜まった30km以降もしっかりと足を真っ直ぐに押し出してくれる感覚があります。
ZoomXフォームの反発により水曜日の1,000mインターバル(3’30/km)でも、自分の筋力以上のスピードを自然に引き出してくれました。
足へのダメージ軽減が「継続」を生む
営業マンの私にとって、最大の敵は「翌日の仕事に響くほどの疲労」です。
カーボンプレートが入っていながら、着地衝撃を絶妙に吸収してくれます。
日曜日の20km距離走(4’00/km)の翌日、月曜日の朝に「あ、今日も12kmジョグに行ける」と思えるのは、このシューズの保護性能のおかげです。
ヴェイパーフライ 3で感じた唯一の注意点
非常に完成度の高いシューズですが、強いて言えば「アウトソールの耐久性」には注意が必要です。
軽量化のためにラバーが薄くなっているため、アスファルトの上でハードに使い続けると、500km前後で反発の寿命を感じ始めます。
私は「練習用(お下がり)」と「レース用(新品に近い状態)」の2足を回すことで、本番で最高のパフォーマンスを発揮できるように調整していました。

1年間継続して見えた「サブエガへの壁と突破口」
1年間、同じ練習メニューを淡々とこなす中で、何度も「もうこれ以上は速くなれないのではないか」という絶壁にぶち当たりました。
サブ3(3時間切り)までは勢いでいけても、サブエガ(2時間50分切り)には、それとは全く別次元の「壁」が存在します。
私がその壁をどう乗り越え、何が突破口になったのか。時系列で振り返ります。
【開始〜3ヶ月】「疲労の蓄積」という最初の壁
開始直後は高強度のメニューに体が適応できず、常に全身が重い状態でした。
特に水曜のインターバル翌日は、足が棒のようで営業の外回りも一苦労。「このままでは怪我をする」という不安が最大の壁でした。
突破口は、金曜の完全休養を「勇気を持って休む日」と決めたこと。
さらにマッサージガン等のセルフケアを徹底したことで、次第に「疲労がある中でどう走るか」の感覚が掴め、体がサブエガ仕様に進化し始めました。
【4ヶ月〜8ヶ月】「タイムの停滞」という精神的な壁
練習メニューに慣れた頃、タイムが横ばいになる時期が訪れました。
3分30秒/kmの壁が厚く感じ、週末の距離走でも設定を守るのが精一杯に。
「本当に2時間50分を切れるのか?」と疑心暗鬼になる毎日。
しかし、ここでメニューを変えずに淡々と継続したのが正解でした。
ある日突然、キロ4分が「ジョグ」のような感覚に変わる瞬間が来ます。
停滞期こそスタミナの土台が固まっている証拠だと信じ抜くことが重要です。
【9ヶ月〜12ヶ月】「プレッシャー」という最後の壁
レースが近づくにつれ、「これだけやって失敗したら」というプレッシャーが重くのしかかります。
少しの違和感で故障を疑い、過剰に練習を減らしたくなる「調整の難しさ」に直面しました。
突破口は、1年間の練習ログを見返すこと。積んできた距離とヴェイパーフライ3という最強の相棒を信じ、数値的な安定感を自信に変えました。
「自分ならできる」という確信を持てるまでコンディションを整える勇気が、最後の一歩を支えてくれました。
まとめ
サブエガ達成は、決して才能だけではありません。
営業マンという多忙な環境でも週1回のスピード練習と週末のセット練習を1年間積み上げれば、必ず道は開けます。
大切なのは「自分に言い訳をしない練習のルーティン化」と、ヴェイパーフライ3のような「最新ギアを味方につける戦略」です。
この記事のメニューが、あなたの限界を突破する一助になれば幸いです。
次はレース会場で、2時間50分の先にある景色を共に分かち合いましょう。


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