asicsメタスピードエッジTOKYOをレビュー!サイズ感や履き心地はどう?

asicsメタスピードエッジTOKYOをレビュー!サイズ感や履き心地はどう?

asics史上最速のレーシングシューズとして登場以来、市民ランナー界隈で常に話題の中心にいる「メタスピードTOKYO」

「あの反発力は本物なのか?」「サイズ感はタイトで選び方が難しいのでは?」と多くのランナーが疑問を抱えているのではないでしょうか。

私もサブ3.5を目指す市民ランナーとして、この一足を履きこなすべく実戦投入してきました。

この記事では、ネットの噂だけではない、私の正直な実走レビューをお届けします。

目次

asicsメタスピードTOKYOの基本情報と注目ポイント

asicsの「メタスピード」シリーズはランナーの走法を大きく「ストライド型(一歩が大きい)」と「ピッチ型(歩数が多い)」の2つに分類し、それぞれに最適なシューズを開発するという革新的なコンセプトで誕生しました。

  • METASPEED SKY TOKYO(メタスピード スカイ トーキョー): 主にストライド型のランナー向け。カーボンプレートをミッドソールの上層部に配置し、クッション全体を大きく圧縮・解放することで、より大きな反発力とストライドの伸長を追求しています。
  • METASPEED EDGE TOKYO(メタスピード エッジ トーキョー): 主にピッチ型のランナー向け。カーボンプレートをより中央付近に配置し、ピッチの上げやすさと、少ない力で効率よくストライドを伸ばせるよう設計されています。

「TOKYO」エディションはその名の通り、特定の時期に限定的に発売される特別モデルであり、高いスペックと特別なカラーリングが特徴です。

主要スペック徹底解説:驚異的な軽さと新素材

メタスピードTOKYOシリーズの最大の注目点は、「軽さ」と「反発性」の同時向上です。

スペック項目 SKY TOKYO(ストライド型) EDGE TOKYO(ピッチ型) 注目ポイント
重量 (27.0cm) 約170g 約170g 驚異的な軽さ。厚底ながら他の主要レーシングシューズと比べてもトップクラス。
ドロップ (高低差) 5mm 5mm スカイ・エッジともに5mm(前足部34.5mm/ヒール39.5mm)に設定されており、地面への設置から蹴り出しまでをスムーズに導く設計。
ミッドソール FF BLAST TURBO™ / FF LEAP FF BLAST TURBO™ / FF LEAP 高反発超軽量なトップフォーム材を二層構造で採用。TOKYOモデルでは、軽量化に貢献する新素材も使用され、エネルギーリターンが大幅に向上。
アッパー MOTIONWRAP 3.0™ MOTIONWRAP 3.0™ 軽量で高い通気性と、スピード走行時のブレを抑制する優れたホールド性を実現。
アウトソール ASICSGRIP™ ASICSGRIP™ 薄さとグリップ性能を両立した設計で、濡れた路面でも高い信頼性を発揮。
注目ポイント
  • FF LEAPの採用: 軽量化と反発性の向上に大きく貢献する新素材の採用により、前作を超える「ポンポン跳ねる」ような走行感を可能にしています。
  • TOKYO限定カラー: フラッシュレッド系の特別カラーは、レース会場でひときわ目を引くデザインで、ランナーのモチベーションを高めてくれます。
  • 走法別設計の徹底: 自分のランニングフォーム(ストライドorピッチ)に合ったモデルを選べる点が、他の厚底シューズにはないasicsの大きな強みです。

メタスピードTOKYOのサイズ感とフィッティングを徹底レビュー

asicsのレーシングシューズは、モデルによってサイズ感が大きく変わることがあり、メタスピードTOKYOも例外ではありません。

特に高価なレースシューズだけに、サイズ選びは絶対に失敗したくないポイントです。

サイズ選びの目安:ハーフアップが基本だが足型で調整を

メタスピードTOKYOのサイズ選びは普段履いているランニングシューズから「ハーフサイズ(0.5cm)アップ」が基本です。

私の場合普段は26.0cmのランニングシューズを履いていますが、メタスピードの場合は26.5cmでジャストサイズでした。

メタスピードTOKYOの「MOTIONWRAP 3.0」アッパーは非常に薄く軽量で、ホールド感は高いものの、伸縮性は極めて低いです。

そのため、指先に余裕がないと、フルマラソン後半に足がむくんだ際、爪を痛めるリスクが高まります。

  • 練習用と同じサイズ(26.0cm)を試した結果: 縦の長さはぴったりでしたが、つま先に遊びがなく、長距離で不安を感じました。
  • ハーフアップ(26.5cm)を選んだ結果: つま先に親指の爪一枚分程度の適度な遊びができ、中足部のホールド感も損なわれず、レースでの使用に最適なサイズ感となりました。

サイズ感はタイト?ルーズ?:アッパー素材と足入れ感

メタスピードTOKYOのフィット感は、「タイトだが圧迫感はない」という絶妙なバランスです。

  • アッパー(MOTIONWRAP 3.0™): 極めて薄いメッシュ素材で、通気性は抜群。この素材が「第二の皮膚」のように足を包み込みます。この薄さが軽量化に大きく貢献していますが、横方向への伸びはほとんど期待できません。幅広のランナーは、サイズアップしても横幅の窮屈さが残る可能性があるため、可能であれば試着が必要です。
  • 中足部のホールド感: 靴紐を締め上げると、中足部がガッチリとホールドされ、ブレが一切ありません。これは高速走行時に安定感をもたらす重要なポイントです。足首周りも最小限のパッドで構成されていますが、しっかりとした固定感があります。
  • つま先周りのスペース(捨て寸): タイトなレーシングシューズとしては比較的確保されていますが、前述の通り、長距離でのむくみを考慮すると、ハーフアップで「捨て寸」(つま先の余裕)を確保することが、快適に走りきるための鍵になります。

他のasicsシューズとのサイズ比較

私が履いた経験から、他のasicsシューズと比較した際のサイズ感の違いは以下の通りです。

比較対象シューズ 筆者のサイズ メタスピードTOKYOとの比較
ノヴァブラスト (練習用) 27.0cm ノヴァブラストよりタイト。同じサイズだと短く感じる。
ターサー・ソーティ (旧レーシング) 27.0cm 縦の長さは似ているが、TOKYOの方が中足部の包み込みがタイト。

結論として、メタスピードTOKYOは、asicsの中では「ややタイトめ」に設計されており、長距離レースで使用する場合は、フィッティングにこだわるランナーほどハーフアップを検討すべきです。

店頭で試着する際は、厚めのランニングソックスを履いて、必ず数歩走ってみて、つま先が当たらないかを確認してください。

履き心地を深掘り!クッション性と安定性はどう?

レースシューズの良し悪しを決めるのは、まさにこの「履き心地」です。

メタスピードTOKYOは、その反発力ばかりが注目されがちですが、足を守り、走り続けるためのクッション性と安定性も大きく進化しています。

第一印象:足を入れた瞬間の感触

シューズに足を入れた瞬間、まず感じるのは「包み込まれるようなフィット感と、沈み込むような柔らかさ」です。

これは、従来の硬いレーシングシューズにはなかった感覚です。

アッパーはタイトながら、ミッドソール上層部の「FF BLAST TURBO™」や「FF LEAP」といった最新フォームが、足裏に優しくフィットします。

例えるなら、「マシュマロのように柔らかいのに、その奥に硬い芯が感じられる」という感触です。

この芯こそが、カーボンプレートと強力なフォーム材であり、強力な反発力の源泉となっています。

【FF BLAST TURBO™/FF LEAP】未体験のクッションと反発

メタスピードTOKYOの心臓部は、asicsが誇る高反発・超軽量フォーム材の二層構造にあります。

実際に走ってみて、私が体感したクッション性と反発性について解説します。

  • 着地の衝撃吸収: 着地した瞬間、シューズはグッと沈み込み、路面からの衝撃を極めて高いレベルで吸収します。これにより、長時間走っても脚への負担が少なく、疲労軽減効果を強く感じます。
  • 爆発的な反発力(エナジーリターン): 沈み込んだ直後、強烈な押し戻し(反発)が発生します。この反発は、ただ柔らかいだけでなく、カーボンプレートとフォーム材が一体となって生み出す「強力な推進力」です。特にペースを上げた時、この反発力は「地面を蹴っている」というより、「シューズが勝手に跳ね上げてくれる」という未体験の感覚をもたらします。
  • 他社厚底シューズとのクッション感の違い: ナイキのヴェイパーフライなどが「トランポリンのように垂直に跳ねる」感覚だとすれば、メタスピードTOKYOは「前へ転がるように進む」感覚が強調されます。asicsらしい、前に重心を移しやすい自然なライド感があり、反発を効率よく推進力に変換できていると感じました。

安定性は大丈夫?:厚底シューズの懸念点を検証

厚底レーシングシューズの最大の懸念点は、ソールの厚さゆえの「グラつきやすさ」です。

市民ランナーの私も、安定性については特に厳しくチェックしました。

  • 横方向のブレの抑制: ミッドソールのフォーム自体は非常に柔らかいのですが、内蔵されたカーボンプレートが、横方向への不要なねじれやブレを強力に抑制しています。シューズの土台であるソール幅も比較的広めに設計されているため、厚底でありながら予想以上に高い安定性を確保しています。
  • コーナーでの挙動: スピードに乗ってカーブを曲がる際にも、足が内側や外側に逃げる感覚は少なく、しっかりとグリップしてくれます。ただし、スピードが上がり、接地が不安定になると、多少のグラつきは発生するため、インナーマッスルを鍛える必要性はあります。
  • 疲労時の安心感: マラソン後半、フォームが乱れ、着地が不安定になった状態でも、この安定性の高さは非常に重要です。シューズがブレを最小限に抑えてくれるため、「足が残る」感覚をサポートしてくれます。

アシックスグリップのグリップ力:雨の日でも安心?

アウトソールには、優れたグリップ性能を持つASICSGRIP™が採用されています。

  • ドライ路面: 乾いたアスファルトでは、文句なしのグリップ力を発揮。強力な反発力を地面にロスなく伝えることが可能です。
  • ウェット路面: 小雨程度の濡れた路面や、水たまりを避けて走る際も、滑るような不安感はほとんどありませんでした。このグリップ力は、レース当日の天候に左右されやすい市民ランナーにとって、大きな安心材料となります。

総合的に見て、メタスピードTOKYOは、単に「速さ」を追求しただけでなく、asicsらしい「安定性と安心感を兼ね備えた」レーシングシューズであると評価できます。

メタスピードTOKYO実走レビュー:ペース別の走行性能を検証

メタスピードTOKYOが本領を発揮するのは「レースペース」ですが、それ以外のペースではどのような履き心地、どのようなメリットがあるのかを検証しました。

【キロ5分30秒~6分台】ジョグペースでの快適性

評価:△(普段のジョグには不向き)

  • 履き心地: 軽くてクッションは柔らかいものの、このペース帯ではシューズの性能を活かしきれません。カーボンプレートの反発を感じるほどの強い踏み込みがないため、ただ「柔らかい厚底シューズ」という印象に留まります。
  • 注意点: ジョグで使用できないわけではありませんが、高価なレースシューズの消耗を早めてしまうため、普段のLSDやゆっくりとしたジョグには、耐久性の高い練習用シューズ(ノヴァブラストなど)を使うことを推奨します。

【キロ4分30秒~5分台】閾値走・ペース走での真価

評価:◎(練習でのメイン機として最適)

このペース帯に入ると、シューズの特性が一変します。

着地と同時に「待ってました」と言わんばかりの明確な反発を感じ始めます。

キロ4分台後半で走ると、まるでシューズが自分の足を押してくれるような「助力感」があり、楽にペース維持が可能です。

ピッチを上げやすくなり、リズミカルに足を回転させることができます。

練習で使用しても、他のシューズに比べて足裏やふくらはぎへの負担が少なく感じます。

これは、高反発フォームが衝撃を効率よくエネルギーに変換している証拠です。

レースペース(キロ3分30秒~4分15秒)での爆発力

評価:★★★★★(まさに自己ベスト更新のための性能)

  • 爆発的な推進力: フルマラソンのレースペース(市民ランナーならキロ4分〜4分30秒あたり)まで速度を上げると、ミッドソール全体が撓み、強力なカーボンプレートが最大限に機能し、**「爆発的な推進力」**へと変わります。
  • 終盤の余裕: メタスピードTOKYOの最大のメリットは、疲労が溜まってからも反発力が持続する点です。マラソン後半、脚が動かなくなりそうな時でも、シューズが最後の最後まで強力にサポートしてくれます。この「足が残る」感覚こそが、タイムを維持し、自己ベスト更新に直結する最大の武器です。
  • 安定性の恩恵: 高速域でもブレが少なく、厚底シューズにありがちな「恐怖心」を感じさせません。安心して自分のフォームで走り切ることができます。

私はピッチ型寄りのランナーであるため、EDGE TOKYOの方がより足裏全体で地面を捉えやすく、ピッチを刻みやすい自然なライド感がありました。

メタスピードTOKYOのメリット・デメリット

実際に実戦投入して感じた、このシューズの光と影を包み隠さずお伝えします。

ココがすごい!最大のメリット3選

メタスピードTOKYOのパフォーマンスは、間違いなく自己ベスト更新を狙えるレベルにあります。

圧倒的な軽さと推進力(エナジーリターン)

約170g(27.0cm)という驚異的な軽さでありながら、新フォーム材「FF LEAP」とカーボンプレートの相乗効果による反発力はトップクラスです。

まるで路面から強力に押し返されているような感覚で、後半の脚の消耗を防ぎ、少ない力でハイスピードを維持できます。

asicsらしい高い安定性と安心感

厚底シューズにありがちな横方向のグラつきが極めて少なく、高速走行時や疲労が溜まった終盤でも、安心して足を前に出せます。

これは、特にフォームが不安定になりやすい市民ランナーにとって、最大の武器となります。

ブレのないタイトなフィッティング

「MOTIONWRAP 3.0」アッパーによるフィット感は秀逸で、足とシューズの一体感が非常に高いです。

足がシューズの中で遊ぶことがなく、ロスなく推進力を得られます。

正直ココは注意!デメリットと購入前の確認点

素晴らしいシューズですが、万人向けとは言えません。

購入前に必ず確認すべきデメリットは以下の通りです。

価格の高さ(コストパフォーマンス)

定価は高額であり、他の厚底シューズと比べても高級な部類に入ります。

レースシューズは消耗品であり、主に本番での使用が推奨されるため、気軽に購入できる価格ではない点が最大のネックです。

極端に低い耐久性(ソールの摩耗)

軽さとグリップ力を優先しているため、アウトソールのゴム材は薄く、摩耗が比較的早いです。

日々の練習(ジョグやペース走)で頻繁に使用すると、あっという間に寿命を迎えてしまうため、レース専用として割り切る必要があります。

ジョグには不向き

カーボンプレートとフォームをしっかり圧縮できるスピード域でなければ、シューズの恩恵を十分に得られません。

ゆっくりとしたペースでのジョグでは、反発の硬さがかえって足への負担となる可能性があり、練習用シューズとの使い分けが必須です。

まとめ

asicsメタスピードTOKYOは、その「驚異的な軽さ」と、asics史上最高のフォーム材がもたらす「爆発的な推進力」を両立させた、まさしく最高峰のレーシングシューズです。

私の最終評価は、100点満点中95点です。

特に、厚底でありながらasicsらしい高い安定性を確保している点は、フォームが完璧ではない多くの市民ランナーにとって大きなアドバンテージとなります。

ハーフサイズアップのサイズ選びさえ間違えなければ、あなたのランニングを変える可能性を秘めた一足です。

【結論】こんなランナーにおすすめ!

  • フルマラソンでサブ3〜サブ4の自己ベスト更新を本気で狙いたいランナー。
  • 自分の走法(ストライド型/ピッチ型)に合わせて最適なシューズを選びたいランナー。
  • asicsシューズのフィット感が好きで、最高の反発力を体験したいランナー。

高価ではありますが、レースでのパフォーマンス向上を考えれば、価格に見合う価値は十分にあります。

ぜひ、この特別な一足で、次のレースの目標を達成してください!

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